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劇場つながり

各種観劇日記。基本的に劇団四季のみ、のはずが最近は色々と手を広げてます。書きやすさ優先でレポ内の俳優名は敬称略ですのでご了承くださいm(_ _)m

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埼玉、わが町   《マンザナ、わが町:2015年10月17日(土)ソワレ》 

毎年そこそこの数の舞台作品を観ているわけだが、同じ作者の作品を
複数観る機会というのは実はあまり多くない。
四季の作品だって四季というフィルターは通すものの原作者は別だ。

四季で言えばロイドウェバー、四季以外だと望月龍平カンパニーや
TipTap(上田一豪・小澤時史)くらいだろうか。
ま、観る物が偏っているからだと言われればそうなのかもしれないが。。。

今回の「マンザナ、わが町」は井上ひさしによるもので、
彼の作品を観るのは3回目になる。

初めて観た「組曲虐殺」ではタイトルやシリアスなテーマには
似つかわしくない、日本演劇だからこその暖かさを感じることが出来た。
まさに『Play』ではなく『芝居』を観た。
井上ひさしの言う「むずかしいことをやさしく~」ということ感じることが
出来た非常に良い作品だった。

今年観た「藪原検校」では、そんな温かさとは全く正反対の
主人公の非道さ、ラストの残虐さが観劇後の何とも言えない
後味の悪さを残したが、これも「むずかしいことを~」の一つの形なんだろう。
ストレート過ぎるほどに『100を生かすために1を殺せるか?』という
難しいテーマをぶつけて来た。

そして今回の「マンザナ、わが町」である。
Twitterでチラホラ見る感想によると、大戦中のアメリカの日系人収容所の
話しというシリアスそうではありながら、暖かさや笑いの要素もふんだんに
あるようだった。
「組曲虐殺」に近いのかなぁと勝手に想像していた。


というわけでやって来た約2年ぶりの紀伊國屋ホール。
夜の新宿も久しぶりな気がする。
151017_1.jpg


という今回のキャスト。

ソフィア岡崎:土居裕子
オトメ天津 :熊谷真実
サチコ斎藤 :伊勢佳世
リリアン竹内:笹本玲奈
ジョイス立花:吉沢梨絵


吉沢梨絵が出演している舞台は極力観るようにしていることも
この作品を観ることにした理由の一つではあるが、
吉沢梨絵と井上ひさしの組み合わせは見逃せなかった。
吉沢梨絵以外にも土居裕子や笹本玲奈というミュージカル界の有名どころも。
キャスティングにも大いに惹かれてはいた。


この作品は第二次世界大戦中のアメリカの日系人収容所が舞台になっている。
シリアスなテーマではあるが、なるほど舞台上には暖かい空気が漂っている。
時折シリアスな方向へ進んで行ったりもするが、すぐに笑いに昇華される。
こんなところは「組曲虐殺」に通じるかもしれない。

登場人物は収容所に入れられている自覚がないんじゃないの?というくらい
屈託がない。
人種差別を受けていることに対して、それぞれが内面に抱えているものは
あるものの、それ以上に前向きに生きて行こうとするエネルギーに溢れている。

そんなエネルギーを発するキャストも全員がその時代を見事に生きている。
正味3時間の長い物語を5人だけで進行しているので、それぞれの台詞量も
かなり物がある。
しかも日系人ということで節々に英語が出てくる。
自分が観た日は土居裕子が何度か言い直したりする場面もあったが、
そんな言い直しすら芝居の一部では?というくらい気にならない。

音痴な女優役(!)の吉沢梨絵は可愛く音痴w
吉沢梨絵としての存在感はそのままながらも、あくまでもジョイス立花で
あり続けた。この絶妙なバランス感覚が天才的なのだ。

途中、歌でミュージカル女優の本領発揮の笹本玲奈。
この人を初めて観た時の印象は押しが強そうで苦手かも、というものだったが
ラブ・ネバー・ダイのメグはすごく良かったし、今回のリリアンも同様だった。
なんか凄く良い女優さんかも・・・と今は思っている。

表現は悪いが、自分的にはちょっとイタい人だったソフィア岡崎の土居裕子。
でも一番激しいものを内面に抱えていて、それが明らかになる終盤での
それまでの姿との落差。その落差がより効果的になったのは
そこに至るまでのちょっとイタそうだけどなんかありそう、
という雰囲気の醸し出し方が絶妙だったからなのでは。

オトメ天津の熊谷真実は素なんじゃないの?もしくは当て書き?というくらい
自分がテレビで観ていたこの人の印象のままだった。
この人が演じると全部こうなるのか、それともオトメ天津という役が
こうなのかはわからないけど。。。

全くの初見だったのがサチコ斎藤の伊勢佳世。
正体不明のアヤシさや、途中までのインチキ臭さが面白かった。
でもこの人が放った台詞が自分としては今回の観劇の一番の肝だった。

「日本人は差別されているというけど、日本人も差別している」という言葉。
これがこの作品のテーマなんではなかろうかと思ったのだ。
まさに井上ひさしの『むずかしいことをやさしくして、やさしいことを
ふかくする』というまんまではないか、と。
答えはない、というか人の数だけ答えがあるこのむずかしいテーマを
『やさしく、ふかく、おもしろく、まじめに、ゆかいに」書いたのが
この作品なのではなかろうか。

個人的にはラストの字幕の内容はイマイチ納得はいかなかったのだが
これを出すことによって、日本人井上ひさしとしての立場を明確に
したのかもしれない。

それでもやっぱり井上ひさしの作品は良い。
大都市新宿を離れ、わが町埼玉へ帰る車の中、良い芝居ってまさに
こういうものだよなぁとつくづく感じた今回の観劇でした。
151017_2.jpg
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Posted on 2015/10/20 Tue. 16:29 [edit]

category: その他舞台

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